トップコラム 障がい者グループホームでの過ごし方は?「自分らしく生きる」を叶える場所の最新の支援と地域共生に向けて

障がい者グループホームでの過ごし方は?「自分らしく生きる」を叶える場所の最新の支援と地域共生に向けて

更新日 2025年01月17日

障がい者グループホームでは利用者はどのような過ごし方をしているのでしょうか。1日の流れを確認し、そこで行われている活動内容や自立支援を見ていきましょう。障がい者グループホームは知的障がい、精神障がい、身体障がい、難病疾患の人々が共同生活を送る住まいの場であり、自立を目指す自立支援の場でもあります。余暇活動や就労支援のほか、地域共生社会へとつながる地域交流などについて、詳しく解説します。

障がい者グループホームの1日の流れ。個人のペースを尊重する自立支援

障がい者グループホームの1日の流れ。個人のペースを尊重する自立支援

障がい者グループホームは、障がいのある人たちが支援を受けながら共同生活を送る住まいです。障がい者総合支援法によって定められた福祉サービスの一つであり、自立した暮らしを目標としています。そのため、利用者それぞれに合った支援を受けながら、洗濯や掃除などの家事を行ったり、日中は就労先や通所先に通うほか、ボランティア活動や余暇活動に参加したりして過ごします。障がい者グループホームの過ごし方について、具体的な1日のスケジュールと併せてご紹介します。

日中支援型グループホームでは日中活動も可能に

主に夜間支援がメインとなる障がい者グループホームの中でも、24時間体制で支援を受けられるのが、日中支援型グループホームです。この特性から、日中に就労先や通所に通うのが難しい重度障がいや身体に障がいを持つ人が比較的多く入居しており、サポートを受けながら日中活動に参加しています。支援スタッフと一緒に散歩や買い物に出かけたり、地域の公園の清掃ボランティアに参加したりと、地域社会と関わる機会を設け、利用者と地域の人々とのつながりを作っています。

障がい者グループホームの1日の流れ

障がい者グループホームは共同生活の場であるため、個人のペースは尊重しつつも、起床時間や食事時間、入浴時間帯や就寝時間などは決まっているグループホームがほとんどです。日中支援型グループホームのスケジュールを例に、1日の流れをご紹介します。

6:00~8:00 起床・身支度・朝食

起床・身支度・朝食

規則正しい生活サイクルを身につけるため、朝は決まった時間に起床します。ベッドからの移動や身支度の支援は、利用者のニーズに合わせて行います。朝食時間を7時~8時など1時間とっている施設が多く、利用者のペースで朝食を摂ります。朝食の準備や後片付けは、利用者が参加できる範囲で参加します。支援を受けながらも自分でできることは自分でする取り組みが、自立への一歩です。

8:00~16:00 就労・通所・日中活動・リハビリテーション

就労・通所・日中活動・リハビリテーション

就労や通所施設を利用している場合は、朝食後に出発します。日中もグループホームで過ごす利用者は、朝食後は自由時間。ゆっくりテレビを観たり自室で過ごしたりする場合もあれば、スタッフの支援を受けながら洗濯や掃除をしたりします。移動支援などを利用して散歩や買い物に出かけるなど、日中活動に参加できるようにスタッフが促してくれる場合もあります。グループホームの中には、地域のボランティア活動や余暇活動を行っている施設もあり、活動に積極的に参加すれば、地域とのつながりや自立した生活の土台作りにもなるでしょう。

16:00~21:00 帰宅・夕飯・団らん等の自由時間・入浴

帰宅・夕飯・団らん等の自由時間・入浴

就労や通所施設を利用している利用者は、16時頃に帰宅します。帰宅した利用者もグループホームで活動していた利用者も、夕方以降はゆっくりと過ごす、団らんの時間です。その日の出来事をスタッフや他の利用者に話したり、共有スペースでみんなで一緒にテレビを観たり、自由に過ごします。
入浴できる時間帯はグループホームによって異なりますが、スタッフの支援を受けながら順番に入ります。

21:00~翌朝6:00 共有スペース利用終了・就寝・夜間見守り

規則正しい生活を送るため、共有スペースは早めに利用終了。22時頃までには就寝します。日中支援型グループホームには夜間支援従事者が1人以上配置されているので、深夜のトイレなどもしっかりサポートしてくれるので安心感があります。

障がい者グループホームの食事はどんな感じ?必要に応じてミキサー食も

グループホームの食事は、世話人がグループホームのキッチンで調理します。日中支援型グループホームは、昼食にも対応します。どのような食事が用意されるのか、重視しているポイントと併せてみていきましょう。

栄養バランスはもちろん、食べる楽しさも重視

学校給食などと同じく、栄養バランスや摂取カロリーはしっかりと計算されています。味気ない食事にならないよう、食事内容には食べる楽しみを感じられる工夫も。季節の野菜を使ったり、クリスマスにはチキンステーキが出たりと、季節やイベントを感じられる楽しみを味わえます。いつもと違うご馳走が出ると、利用者同士でも盛り上がり、食事時間を楽しめます。

利用者のニーズに合わせ、糖尿病食やミキサー食も

利用者によっては、食事内容や食事形態に個別対応が必要な場合もあります。障がい者グループホームでは、もちろん個別対応が可能です。糖尿病食はもちろん、ミキサー食や刻み食などの個別の食事形態にも対応します。食事内容が気になる場合は、献立表を用意している場合もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

障がい者グループホームでは余暇活動、季節行事も充実

障がい者グループホームでは自立支援の一環として、余暇活動を行っています。特に日中支援型グループホームでは、日中をグループホームで過ごす利用者に向けて、さまざまな余暇活動やレクリエーションを企画しています。どのような活動があるのか、具体例を紹介します。

利用者同士の活動で社会性の訓練に

普段の日中活動としては、グループホーム内で塗り絵やちぎり絵、シール貼りなど自分のペースで行える活動のほか、オセロや将棋、トランプといった人と関わる活動も行っています。利用者とスタッフで活動する場合もあれば、利用者同士で行う場合もあり、他者との関わりを通して社会性を養えます。
活動は個人によって得手不得手や決まったルールなどもあるため、スタッフと利用者の家族が話し合い、個人に合った活動を決められます。気分が乗らない日などは、活動をお休みしてのんびり過ごす選択肢もあり、一人ひとりの希望や意見を尊重しながら行っています。

季節の行事を楽しみ、定期外出で地域と交流

普段の日中活動のほかに、節分や七夕、クリスマスなどの季節行事も定期レクリエーションとして取り組んでいます。みんなでグループホーム内を飾りつけしたり音楽を流したり、普段の活動とは違う特別な雰囲気は、利用者の積極的な活動参加を促します。
また、普段の活動ではスタッフや移動支援などを利用して散歩や買い物に出かけていますが、なかには外出レクリエーションとして、外出活動も行っている施設もあります。外出レクリエーションでは地域の「道の駅」などに出かけたりできる場合もあるようです。お花見や夏祭りに出向くなど、地域との交流も踏まえた余暇活動も行えるようなケースもあるようです。

自立を目指す障がい者グループホームは、就労支援にも積極的

障がい者グループホームは、支援を受けながら自立した生活を目指す場として位置づけられています。そのため、地域の就労支援や福祉サービスと連携し、一人ひとりの障がいの程度に合わせた就労にも注力しています。

就労支援は自立支援の重要なポイントのひとつ

障がいのある人の自立を目指す背景には、本人の自立への希望のほかにも、家族亡き後の生活を心配する思いがあります。そのため、障がいのある人が安心して働ける社会への取り組みが現在の日本における課題の一つでもあり、さまざまな施策が打ち出されています。近年では障がいのある人の法定雇用率引き上げを受け、一般企業で働く障がい者も年々増えてきました。障がい者グループホームも自立を目指す場として、個人の障がいの程度に応じた就労支援に力を入れています。

障がいのある人に対する就労支援福祉サービス

障害者総合支援法における就労系障害福祉サービスには、どのようなものがあるのでしょうか。それぞれの特徴を紹介します。

就労移行支援・就労定着支援

就労移行支援では、一般企業の一般枠、または障がい者枠での就労を目指す障がいのある人に対し、就職に必要な知識や技術などのスキルを訓練します。精神障がい、発達障がい、身体障がい、知的障がい、難病患者の誰もが対象となりますが、一般企業雇用が可能と判断される必要があります。
就労定着支援では、一般企業に就職した障がいのある人に生じる日常生活や社会生活におけるさまざまな問題に対して相談を受けつけ、必要に応じて指導を行います。また、企業に出向き、障がいのある人の周囲の人々にヒアリングしながら、生じている問題点を解決するためアドバイス等を行う心強いサービスでもあります。

就労継続支援A型・B型

一般企業への雇用が難しいと判断される場合は、就労継続支援を利用します。対象者は就労移行支援と同じく、精神障がい、発達障がい、身体障がい、知的障がい、難病患者です。
A型は就労継続支援の事業所と雇用契約を結び仕事を行うため、最低賃金以上の給与を得られます。就労時間は4時間以上、週3日以上など、ある程度の出勤が定められているのも特徴です。
B型は、就労移行支援も就労継続支援A型も難しいと判断された障がいのある人が利用します。そのため、A型よりも軽度な仕事内容であるケースが多いです。雇用契約を結ばないため最低賃金は保証されておらず、1日の賃金が決まっていたり、作業によって賃金が支払われたりと、利用する事業所によってさまざまです。

グループホーム内での自立支援やお手伝いの内容

障がいの程度が重度の場合は、就労の継続が困難な場合もあります。
日中支援型グループホームでは、就労が困難な利用者でも地域社会で生活する一人として、その人なりの自立を目指していくのです。
活動は掃除や洗濯、食事の片付け、家庭菜園のお世話など家事がメインとなりますが、役割を持って仕事をするため、自立へとつながります。

障がい者グループホームに欠かせない、地域との交流

障がい者グループホームに欠かせない、地域との交流

障がい者グループホームは住まいとしての役割のほか、利用者一人ひとりの自立と社会参加を促進する役割も担っています。利用者の社会参加を実現するためには、地域の一員として受け入れられ、役割を担うのが大切です。そのために、グループホームは地域と強いつながりをもち、連携しながら利用者の活躍の機会を獲得しているのです。

利用者が参加・活躍できる地域交流の場には、次のようなものがあります。

地域のボランティア活動に参加

グループホームのレクリエーションの一つとして、地域の清掃ボランティアへの参加はよく見られる活動の一つです。地域の人々も参加しているボランティアで一緒に活動をすれば、自然と地域住民との交流が生まれます。また、地域の人々と同じ活動をし、感謝を受けると、利用者は「社会に役立てている」という自信につながり、自立心も強まります。

地域住民との交流イベントを開催

地域には、地域住民が利用できる地区センターなどのオープンスペースが存在します。その場を利用して、ワークショップやバーベキュー大会、季節のイベントパーティなど、地域住民との交流イベントを開催するケースもあります。利用者が地域住民をおもてなししたり、利用者の日中活動で作成した作品などを紹介する場を設ければ、グループホームの活動の紹介になるとともに、利用者の新たな側面を知ってもらう機会にもなります。

地域のお祭りやイベントでお手伝い

障がい者グループホームは、地域の人々に施設の存在を知ってもらうため、積極的に地域のお祭りやイベントに参加しています。こうした活動にお手伝いとして利用者が参加すれば、より多くの地域の人々にグループホームの存在や利用者について知ってもらう機会となります。チラシを配る、ゴミを拾うなど、些細なお手伝いでも、地域行事に参加し活動すると、地域の一員としての自覚も強く芽生えるでしょう。

地域共生社会の推進と障がい福祉サービスの充実を受けて

近年では、地域共生社会という言葉を耳にするようになりました。地域共生社会とは、多様な立場の人々が、それぞれ支え合いながら、住み慣れた地域でその人らしく生きていける社会を指します。障がいのある人が地域の一員として受け入れられ、地域の一員としての役割を担い、その地域で本人の希望に合った生活を送るのも、地域共生社会の一環です。

立場の違う人たちがお互いを理解し、受け入れ、ともに支え合うのは、簡単ではありません。それを実現するためには、障がいのある人の家族や友人、関係医療機関の人々、障がい者グループホームの運営者やスタッフたちが、地域に働きかける活動があってこそ叶うもの。どうしたら地域の人々にグループホームと利用者を受け入れてもらえるか、交流の場を企画したり、利用者と一緒に積極的に地域に出ていく活動を継続しています。

2024年に障害者総合支援法が改定されたのも、障がいのある人々が安心して生活できる地域共生社会の実現を支えています。2024年の改定では、障がいのある人が、医療、福祉、雇用それぞれの支援を受けながら、希望する地域生活や就労活動、役割の獲得を実現させるために、幅広い支援や体制の見直し・創設が盛り込まれています。今後の社会では、障がいによる障壁が徐々に取り払われ、障がいの有無に関わらず地域の一員として関わり合い、障がいのある人も希望に沿った生活、就労、余暇を過ごせるようになると期待できそうです。

充実のサポート体制で、
安心の暮らしを!
ソーシャルインクルーの
障がい者グループホーム

ソーシャルインクルーの障がい者グループホームは、「個別支援計画」に基づき、一人ひとりの個性や目標に合わせた支援を提供しています。
食事、入浴、排泄などの介助はもちろん、服薬管理や金銭管理など、日常生活の様々な場面をサポートしているのです。

余暇活動の支援も行い、地域との交流を通して社会参加を促進。24時間体制のサポートと充実したサービスで、安心・安全な暮らしを実現します。

「自分らしく、生き生きと過ごせる環境をスタッフ一丸となって作っていきたい」
ソーシャルインクルーホームで新しい生活を始めてみませんか?ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちらまで0120-139-196

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