精神障がいのある方がグループホームで自分らしく生活するために。入居の疑問を解消し安心生活への第一歩を
他にも福祉ホームや公営住宅など住宅の選択は可能です。いくつかの選択肢と比較した際、障がい者グループホームが選ばれる理由はどこにあるのでしょうか。施設の特徴とともに、入居に向けた条件、かかる費用、トラブル事例などを具体的に確認してみましょう。

精神障がいのある方たちの地域生活を守る!強化を続ける支援体制とは?
障がいのある方が地域の一員として安心して生活を送れるために、法の改定を含め社会のあり方は大きく変化しています。今、精神障がいのある方の方が地域の一員として安心して安定した生活を送るために、どのような支援体制がしかれているのでしょうか。
障がい者総合支援法改定による自立生活支援の充実
近年で最も注目された障がい福祉事情としては、2022年に改定され2024年4月より施行された障がい者総合支援法の改定が挙げられます。障がいのある方等が地域で安心して生活し、就労や療養を行える社会の実現を目指し、主に次の5つが改定されました。
地域生活の支援体制の充実
障がい者グループホームにおける支援内容として、一人暮らしを希望する方への支援や、退去後の相談対応が法令上明確化。また、地域の支援拠点の整備と、精神保健に関する相談支援対象を拡大し個々の状態に適切な支援の確保を推進。
就労支援および障がい者雇用の質の向上を推進
企業で働き始めや復職を目指す場合、一般就労中であっても就労系障がい福祉サービス(就労継続支援A型・B型、就労移行支援)の一時的利用可。また、週所定労働が短い精神障がいのある方や、重度身体障がい者、重度知的障がい者については実雇用率として算定可能に。
精神障がいのある方の希望やニーズに応じた支援体制の整備
精神障がいのある方の医療保護入院制度見直しにより、本人の意思を尊重した入院・退院支援を強化。精神科病院管理者の虐待防止措置への取り組みを義務化し都道府県等への虐待通報の仕組みを整備。
難病患者等に対する適切な医療の充実および療養生活支援の強化
福祉や就労等の支援利用の円滑化に向け指定難病患者に「登録者証」を発行する事業の創設および医療費助成の拡充。
障がい福祉分野におけるデータ基盤の整備
障がい福祉サービスの利用状況を把握し、政策に活用するためのデータベース整備。
精神障がいのある方支援に欠かせない地域包括ケアシステム
精神障がいのある方の方を支援するもう一つの福祉体制として、地域包括ケアシステムがあります。
地域包括ケアシステムはもともと高齢者を対象に「医療・介護・住まい・生活支援・介護予防」を一体的に提供する仕組みとして存在していました。
ですが、近年では障がいのある方や精神障がいのある方の方にも適用し、地域での生活を支援する体制へと拡大しています。
地域包括ケアシステムによる精神障がいのある方支援には、主に次の4点が挙げられます。
医療機関と福祉サービスの連携
精神科病院などからの退院支援や地域移行支援を強化し、入院生活から地域生活へのスムーズな移行をサポート。かかりつけ医や精神科病院、デイケアなどと連携して、継続的な医療支援を提供する。
住まいの確保と生活支援
障がい者グループホームや自立生活援助を活用し、退院後の生活を支援。生活困窮者自立支援制度と連携し、安定した住まいを確保する。
就労支援・日中活動の場の確保
就労移行支援や就労継続支援(A型・B型)を活用し仕事の機会を提供するとともに、地域活動支援センターなどと連携し、日中活動の場を確保する。
地域住民との関係構築
地域住民やボランティア団体と連携し、地域活動の場を設けるなど精神障がいのある方が孤立しないようサポートするとともに、地域住民へ向けて精神障がいに関する理解を促進する啓発活動を行う。
精神障がいのある方の方がスムーズに地域生活に移行し安心した暮らしを実現するためには、地域のあらゆる機関とつながる地域包括ケアシステムの連携が欠かせません。とくに地域生活に移行するときは、うまく地域に馴染めるか、この先の生活について本人も家族も不安が大きくなるものです。利用できる福祉制度を頼りながら、個人の希望に合わせて活用していきましょう。
精神障がいのある方が自立を目指すために!住まいの選択肢とは?
精神障がいのある方が家族から離れ地域で自立した暮らしを送るために適した住まいには、「障がい者グループホーム」「福祉ホーム」「公営住宅」の選択肢があります。利用者本人の希望を実現するためには、それぞれの特徴や対象となる範囲を確認することが大切です。詳しくみていきましょう。
一定の生活支援が必要なら障がい者グループホーム
障がい者グループホームは、障がい者総合支援法で定められた障がい者福祉サービスの一つであり、正式名称を「共同生活援助」といいます。一般的には、知的障がい、精神障がい、身体障がい、発達障がい、難病患者の方々が障がい区分に関係なく利用できる、小人数制の共同生活の住まいです。
世話人や生活支援員が配置され、食事や入浴、排泄などの日常生活上の支援と洗濯・掃除などの家事サポートを受けながら自立を目指した生活が送れるようになっています。
一人暮らしが難しく一定の生活支援や家事サポートが必要な方や、施設や病院から地域移行したいと考える方に最適です。
ある程度の自立ができているなら低料金の福祉ホーム
福祉ホームは障がい者総合支援法で定められた地域生活支援事業の一つであり、障がいのある方や低所得の高齢者の安心した地域での暮らしを目的とした施設です。
職員の常駐はなく、支援内容も相談や助言等に限られるため、ある程度の自立はできているがグループホームや介護施設を利用するほどではない方が対象となります。
それぞれの部屋は単独や相部屋など、施設によって異なり、トイレや浴室が共用の場合もあるでしょう。
利用期間は原則3年以内のため、一人暮らしを始める前のステップとして利用するケースに適しているのです。
自立生活可能で低家賃の住まいなら公営住宅
公営住宅は、低所得者向けに都道府県や市区町村が管理・提供する住宅です。個別生活になるため職員等は存在せず、支援体制はありません。そのため、自立した生活が可能で長期的に安定した住まいを確保したい方が対象となります。
家賃の安さは魅力ですが、住まいの決定は抽選制で入居までに時間がかかるため、すぐに入居できる住まいを求めている方には不向きです。家族での生活も可能で、障がい者世帯向けの抽選枠や家賃の減免制度などの優遇を受けられます。
ただ、近隣住民とのトラブルや孤立リスクの存在も念頭に置いておきましょう。
障がい者グループホーム | 福祉ホーム | 公営住宅 | |
---|---|---|---|
支援体制 |
あり |
生活相談のみ |
なし |
対象者 |
生活支援が必要な人 |
比較的自立している人 |
自立生活ができる人 |
一般的な費用 |
3万~7万円以上 |
1万~3万円 |
5,000円~3万円 |
食事提供 |
あり |
なし |
なし |
利用期間 |
原則制限なし |
原則3年以内 |
制限なし |
自由度 |
低い |
中程度 |
高い(個別生活) |

精神障がいのある方が「障がい者グループホーム」を選ぶ利点とは?
精神障がいのある方の住まいの選択肢には、福祉ホームや公営住宅もありますが、総合的にみて、障がい者グループホームが適しているケースも多くあります。
どんなケースが適していて、どのような理由があるのか、障がい者グループホームの特徴も踏まえて解説します。
地域とつながり自立生活実現の役割を担う
精神障がいのある方の方が地域での自立した生活を目指すとき、はじめのステップとして頼りたい障がい福祉サービスの一つが障がい者グループホームです。
障がい者グループホームは、精神障がいのある方の方が精神科病院や施設から退院・退所し、地域での生活になれるためのステップとして利用されるケースが多いのです。そこで生活の安定を図りながら、将来的な一人暮らしの準備を進められます。
また、障がい者グループホームは地域とのつながりを重視しているため、買い物や散歩などの日常的な地域との関わりのほか、ボランティアを通じた地域活動への参加も支援します。就労支援機関や就労移行支援事業所との連携も密接で、障がい者総合支援法改正によりグループホーム退去後の相談支援等によるアフターケアも強化されました。
入居中も退去後も、地域での安定した自立生活を実現するために、障がい者グループホームは重要な役割を担っています。
安定した生活リズムを保ち日常生活と日中活動を支援
障がい者グループホームは複数人が一緒に生活する共同生活の場であるため、施設ごとにルールが定められています。中でも日常生活に大きく影響するのが、時間的なルール。
多くの施設では朝夕に食事が提供されますが、食事時間は「朝食は7時~8時、夕食は19時~20時」などと決まっています。また、入浴時間も定められている場合がほとんどです。
こうした決まりにより生活リズムが安定し、健康的で活動的な生活が定着し社会復帰への意欲も促進していくのです。
また、障がい者グループホームには世話人や生活支援員が配置されており、障がいのある方が日常生活上で困難と感じる場面で支援を行います。
具体的には食事の準備や洗濯・掃除などの家事、排泄や入浴などの日常生活、服薬等の健康管理を支援してくれるのです。
休日の日中活動として地域参加やレクリエーションを企画する施設も多く、孤立を防ぎ活動的な生活の維持が可能である点も、障がい者グループホームの利点といえるでしょう。
精神障がいのある方の方に適した障がい者グループホームの種類
障がい者グループホームには、次の4つの種類があります。障がいの種類や程度に対して必要な支援を見極め、適切な種類のグループホームが選択できるかが重要です。
介護サービス包括型
朝夕の支援が中心で相談援助や家事などの日常生活上の援助、食事・入浴・排泄の介護などを受けられます。日中は就労や通所施設に通っている利用者が多く、サービスを受けるのは朝出かけるまでの時間帯と、活動の場から帰ってきてから夜の時間帯がメインとなります。
日中サービス利用型
支援の中心は朝夕の相談援助や家事などの日常生活上の援助、食事・入浴・排泄の介護となりますが、24時間体制で1人以上の職員を配置しているため、日中や夜間に介護が必要な方でも安心して利用できるのです。また、短期入所施設が併設されています。
外部サービス利用型
朝夕を中心とした相談援助や家事などの日常生活上の支援を受けられます。食事や入浴、排泄等の介護、および日常生活上必要な支援は外部の訪問介護・看護を利用します。
サテライト型
本体居住となるグループホームから、20分以内程度の距離にあるアパートやマンションの一室で単身で生活し、グループホームの世話人による巡回支援が受けられます。
居住期間は2~3年で、後の自立を見据えて単身で生活できる方が対象者となります。
精神障がいのある方に特化した障がい者グループホーム
障がい者グループホームの中には、少数ではありますが精神障がいのある方の方に特化した施設も存在します。精神障がいのある方の方に特化した施設には精神保健福祉に精通しているスタッフや看護師、作業療法士など精神疾患に理解のあるスタッフが対応するケースもあります。
個人の状態に合わせてすぐに対応できるよう、医療機関や支援機関との連携体制も整備されている場合が多いでしょう。不安なときすぐに相談でき、対処してもらえる環境なら、安心して生活することが期待できそうです。
精神障がいのある方がグループホームへ入所する条件と必要な手続き
精神障がいのある方の方が障がい者グループホームを利用するには、一定の条件を満たす必要があります。障がい者グループホームの種類や施設ごとに障がい支援区分や障がいの種類を定めている場合もありますが、一般的な入所条件と必要な手続きについて解説します。
入所条件の基本は「障がいのある方」であること
障がい者総合支援法では、障がい者グループホームの利用対象者を次のように規定しています。
制度上は利用条件に障がい支援区分は関係がなく、障がい者手帳の保有も必須ではありませんが、「障がい福祉サービス受給者証」は必ず必要となります。障がい者手帳または精神障がいのある方保健福祉手帳は必須ではありませんが、福祉サービスを受けるときは持っているとスムーズに進みやすい場合もあります。
<障がい者グループホームの利用対象者>
- 知的障がいのある方
- 身体障がいのある方(65歳未満の方、または65歳の誕生日前日までに障がい福祉サービスもしくは準ずるものを利用したことがある方)
- 精神障がいのある方
- 発達障がいのある方
- 難病を患っている方
精神障がいのある方の入居に関する条件
障がい者グループホームへの入居を希望される場合、いくつかの条件を満たす必要があります。まず、精神疾患の診断を受けている、あるいは主治医による診断書が必要です。さらに、ある程度自立した生活を送れる能力が求められます。共同生活を円滑に送るため、精神症状が比較的安定している状態が望ましいでしょう。
<障がい者グループホームにおける精神障がいの方の入所条件>
- 障がい福祉サービス受給者証の取得
- 18歳以上であること(15歳以上の障がい児に対し児童相談所がサービス利用が適当と意見した場合は、市町村からの障がい福祉サービスの支給決定を受け利用が可能)
- 障がい者手帳または精神障がいのある方保健福祉手帳を持っていることが望ましい(必須ではない)
- 医師の診断、主治医の意見書や診断書
- 自立した日常生活がある程度可能(食事や着替え、排泄など)
- 共同生活が可能(サポートを受けながら適応できる見込みがあれば可)
入居に必要な手続き
入居手続きを進めるにあたり、「障がい福祉サービス受給者証」の取得が不可欠です。この受給者証を申請するには、障がい支援区分認定調査や主治医の診断書などが求められます。加えて、施設によっては入居時に主治医の診断書や意見書の提出が必要となる場合があるので、事前に確認し準備しておくと安心です。
入居の際の注意点
グループホームは、日常生活におけるサポートを受けながら、他の入居者と共同生活を送る場所です。医療ケアが必要となった場合、施設によって対応が異なります。医療機関との連携を密にしている施設であれば、精神症状が不安定な状態でも入居できるケースがあります。そのため、グループホームへの入居を検討する際は、これらの情報を参考に、ご自身の状況に最も適した施設を選択してください。
障がい者グループホーム利用までの流れ
障がい者グループホームを利用するには「障がい福祉サービス受給者証」が必要です。これを受けるためには、相談に行き申請を行い、調査と認定を受け支給決定される必要があります。具体的に解説します。
1〜6まではおおよそ2週間〜1ヶ月ほどかかるといわれています。なるべく早いタイミングで障がい者グループホームの利用を開始したい場合は、市町村サイドで審査等を行っている期間中に、地域にどのような施設があるのか調べておくとスムーズに進められるでしょう。
1.相談へ行き、障がい福祉サービスの利用申請をする
障がいのある方、または障がい児の保護者は、相談支援センターなどの窓口へ相談に行き、利用申請を行います。
2.市町村にサービス等利用計画案の提出
申請者(障がい者、または障がい児)のサービス等利用計画案(セルフプランも可)を市町村に提出します。
3.障がい支援区分認定調査等の実施
認定調査員による訪問調査後、認定調査結果と医師の意見書をもとにコンピュータによる障がい支援区分の一次判定、市町村審査会による二次判定により障がい支援区分を判定します。
4.障がい支援区分の認定
障がい支援区分の認定が行われ、申請者に通知されます。
5.支給決定、障がい福祉サービス受給者証交付
市町村が支給決定を行い、障がい福祉サービス受給者証や決定通知書は自宅に届きます。
6.サービスの利用開始
支給決定後、相談支援センター等はサービス事業者等とともにサービス等利用計画を作成します。
申請者またはその保護者はサービス事業所と契約を結び、サービス利用開始となります。
手続きに必要な書類や情報は事前に確認を
障がい者グループホームの利用を見越した障がい福祉サービスの使用申請には下記の書類が必要となるため、事前に準備しておきましょう。
その他、障がいの種類や病名が確認できる医師の診断書や意見書、健康保険証もあると安心です。
<障がい福祉サービスの利用申請に必要なもの>
- 申請書・同意書
- 身体障がい者手帳や精神障がいのある方保健福祉手帳など(お持ちの方)
- 印鑑
- 世帯状況・収入申告書
- 収入に関する証明
- 資産に関する証明
ニーズに合ったグループホームを選ぶために
障がい者グループホームは、利用者にとって新たな生活の場となるため、快適で安心できる環境の選択は非常に重要です。居心地の良さやプライベートな空間が確保されているか、必要な支援を受けられるかは、生活の質を大きく左右します。
見学で確認すべきポイント
見学時には、施設の立地、個室の状態、共有スペースの様子や設備など、生活環境を具体的に確認しましょう。利用者本人と家族が共に確認することで、実際の生活をイメージしやすくなります。また、既に入居している利用者の様子やスタッフの関わり方、レクリエーションの内容、地域との交流状況などを確認することも重要です。
体験入居のすすめ
入居を検討している施設が体験入居を受け入れている場合は、積極的に利用をおすすめします。体験入居は、介護サービス包括型または日中サービス支援型の施設で実施されており、数日間から数週間、実際の生活を体験できます。年間で最大50日まで、1回の体験期間は連続して30日まで利用可能です。体験期間中は、施設の一室を利用し、他の利用者と一緒に施設のスケジュールに合わせて生活します。
実際の生活を体験することで、施設の雰囲気やスケジュール、スタッフの対応などを確認できるのです。また、自分一人でできることや支援が必要なことを把握し、入居後の生活を具体的にイメージできるでしょう。

障がい者グループホームの費用と支援制度
障がい者グループホームで生活するには、家賃や食費、水光熱費などの日常生活費のほか、世帯によっては障がい福祉サービスの利用料も発生します。全体的な費用は地域や立地条件、施設の築年数、障がい特化型や人員の手厚さなどで違いはありますが、一般的な料金相場は3万~7万円以上で考えておくとよさそうです。費用には具体的にどのような項目が入ってくるのか確認していきましょう。
障がい福祉サービス利用料は1割負担
障がい者グループホームを利用する場合、障がい福祉サービス利用料の1割負担が発生します。ただし、障がい福祉サービスの負担額は上限月額が設定されており、利用したサービスの量に関わらず、それを超える料金は発生しません。また、非課税世帯や生活保護を受けている世帯は無料となります。
課税対象の実家で生活している障がいのある方であっても、世帯分離をされていれば障がいのある方は非課税世帯となり、無料で利用できます。
世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
---|---|
生活保護世帯 |
0円 |
住民税の非課税世帯 |
0円 |
課税世帯 |
37,200円 |
家賃は賃貸物件と同等、ただし該当者には家賃補助あり
障がい者グループホームは住まいとなるため、そこで生活をすれば家賃が発生します。家賃設定はその家屋が賃貸建物か自己所有建物か、築年数などによって異なりますが、一般的には近隣の賃貸物件と同等の家賃が必要と考えておきましょう。
家賃負担を軽減するために、市町村民税が非課税世帯の利用者には家賃補助適応となり「特定障がい者特別給付費」が支給されます。支給額は利用者1人当たり月額上限1万円です。
食材料費・水光熱費・日用品は実費負担
障がい者グループホームでは通常、食事が提供されます。食事を提供するために必要な食材費などは原則実費負担となり、食事の提供を受けた回数分支払います。食事の他にも、日常生活を送るうえで欠かせない水光熱費、トイレットペーパーや石鹸、シャンプーなど、そこに居住する利用者みんなで利用するものを購入するための費用も、実費負担です。
これらは総じて「生活実費」と呼ばれ、直接事業者に支払います。個々の負担額の計算方法や支払方法などは施設によって異なるため、確認しておくと安心です。
障がい者グループホームのトラブル事例と解決策
障がい者グループホームは他人同士が共同生活を送る場であるがゆえに、トラブルは避けられない問題でもあります。
施設のスタッフは常にトラブルが起こり得ることを考慮して支援を行っており、トラブルが起きた時の対策や解決策も事例に沿ってルール化しているケースも多くあるのです。
どのようなトラブルが起こりやすく、どのように対処しているのか確認していきましょう。
よくあるトラブルは対人関係が主。帰宅しない時は家族に協力要請も
障がい者グループホームで最も多く見られるトラブルが、入居者同士のトラブルです。年齢や障がいの種類・程度が違う、育ってきたバックボーンも違う人たちが共同で生活する上では、避けられない問題といえるでしょう。
生活リズムの違いによるトラブル
夜型の入居者が深夜にテレビを大音量でつける、朝型の入居者が早朝活動で夜型の人を起こしてしまう、共同スペースの利用時間が合わずに口論になるなど、生活リズムの違いによるトラブル。解決策として、施設側は消灯時間の周知徹底やテレビやステレオの音量に関するルールを明確化する、共有スペースの利用についてはスタッフが介入し話し合いの場を設けるなど、ただ強制するのではなく、利用者同士が納得できるよう調整し解決します。
人間関係によるトラブル
入居者同士で気が合わず、無視や陰口、口論が発生したり、過去のトラウマから対人関係に不安がある場合、共同生活に馴染めずストレスになる場合もあります。有効な対策としては入居前の面談で相性を考慮したり、体験入居で実際に共同生活を送ってみるのはベストでしょう。
服薬や症状に関するトラブル
利用者本人が薬を飲み忘れたり、自己判断で薬を多く飲んでしまうケースや、薬を拒否し、飲まなかったり飲んだフリで症状を悪化させる場合もあります。服薬スケジュールについては、世話人や生活支援員がピルケースやウォールポケットなどを活用し、見やすく分かりやすい状態で管理している施設もあります。服薬拒否がある場合は、医療機関と連携し、無理なく服薬できる方法を利用者とともに調整します。
症状が悪化した際には、夜中に施設を飛び出し帰宅しないケースもあります。この場合は施設のスタッフが総出で捜索に出ますが、実家に戻る可能性も考慮し家族に連絡し、必要に応じて家族の方にも捜索に合流してもらう場合もあります。状況に応じて警察へ協力要請するなど対応策はさまざまですが、あらゆるトラブルが起こり得ることを念頭においておけると、何かあった際にも冷静に対処できるでしょう。
施設側はつねにトラブルに対し、対策と工夫を講じ続けている
施設側は、発生したトラブルの情報を職員間で共有し、再発防止策を検討します。
地域の医療機関と連携して勉強会を実施したり、入居者と定期的に面談する機会を設けたりすることも、トラブル防止に繋がります。あらゆるトラブルを想定し、冷静に対応できる体制を整えることが重要です。
精神障がいのある方の方が地域で安心して暮らすために
障がいのある方が地域の一員として安心して生活を送れるために、障がい者総合支援法の改定も含め、社会のあり方は大きく変化しています。法の改定によって地域生活支援は精神科病院などでの長期入院から地域で生活ができる環境の整備、障がい者グループホームや福祉ホーム、公営住宅などの住まい支援の充実へと動き出しました。
それに合わせ、地域包括ケアシステムとの連携も強化され、退院後にくまなく支援ができるよう、医療・福祉・介護・就労支援などの機関が連携し、包括的な支援を提供できるよう動いているのです。
就労支援の拡充とともに、就労機会も拡大しています。
精神障がいのある方の法定雇用率は引き上げられ、テレワークやフレックスなどの多様な働き方も取り込みながら、企業の雇用促進は今後も進んでいくと期待できるでしょう。
就労移行支援や継続支援(A型・B型)も拡充や一般企業側の理解を深めるためのメンタルヘルス研修を普及させるなど、働くことや場所にのみ注目するのではなく、「働きやすさ」を重視した支援へと変化しています。
こうした社会の動きに合わせ、精神障がいのある方の自立も促進されていくでしょう。
自立生活を支援する住まいを探す際には、まずは市区町村の福祉課や障がい福祉サービスの窓口で利用したい障がい福祉サービスについて相談をしましょう。その他の相談窓口としては、地域包括支援センターなら地域での生活に関する総合的な相談が可能です。
精神保健福祉センターも精神障がいのある方の総合相談窓口です。利用対象の家族がどのような支援を受けられるのか相談したい場合は、精神保健福祉センターに問合せてみると良いでしょう。
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グループホーム
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