障がいのある方が支援を受けるための相談窓口とは?悩みに寄り添う福祉サービスの特徴と活用の流れを知る
障がいのある方が適切な支援を受けるためには、まず市区町村の障害福祉課や相談支援事業所への相談が第一歩です。相談支援専門員とつながりができると、本人や家族の生活状況や困りごとを丁寧に整理してもらえます。そのうえで面談内容をもとに「サービス等利用計画」が作成され、1人ひとりに合った支援が提供されるのです。まずは相談内容に合った窓口を知り、自分に合ったサポートを活用していきましょう。

障がいのある方への支援について相談内容とは?
障がいのある方への支援について相談したいと思っても、「誰に相談すればよいのかわからない」「窓口に相談していい内容なのか迷う」と感じる方は少なくありません。しかし、実際は多くの相談窓口が、さまざまな内容の悩みや不安に丁寧に対応しています。心の中の不安を1人で抱え込まず、まずは勇気を出して話してみましょう。
具体的な相談内容
身近な相談窓口の活用により、自分に合った支援制度やサービスを効率よく見つけられ、生活・就労・医療・家族の課題まで幅広い相談が可能です。必要な手続きや支援の流れについても案内を受けられるため、相談を通じて課題の整理が進み、次の一歩が見えてくるでしょう。
具体的な相談内容を例にあげると、日常生活の中で感じる困りごとや、住まいの確保・金銭管理といった生活全般に関する相談があります。また、就職活動の進め方や職場での悩み、就労継続支援の利用についてなど、仕事に関する相談も可能です。
「どのような福祉サービスが利用できるのか知りたい」という方には、サービスの種類や申請手続き、障害者手帳に関する内容もサポートの対象です。また、医療や健康については、通院の継続や服薬管理、精神的な不安へのケアも状況に応じた助言を受けられます。
そのほか、人間関係やコミュニケーションの悩み、対人ストレスなどの心の不安に加え、家族からの「本人との関わり方」や「将来の生活設計」に関する相談にも広く対応しています。
〈窓口で相談できる内容〉
相談の種類 | 具体的な相談内容例 |
---|---|
生活全般の困りごと | 日常生活の支援・住まいの確保・金銭管理 |
仕事(就労)に関する相談 | 就職活動や職場での悩み・就労継続支援 |
福祉サービスについての相談 | 利用できる福祉サービスの種類・申請手続き・障害者手帳に関する相談 |
医療や健康に関する相談 | 通院・服薬管理・精神的ケア |
人間関係やコミュニケーションの悩み | 対人関係のストレス・コミュニケーションの取り方 |
家族からの相談 | 本人との関わり方・将来設計 |
相談を通じ適切な支援を探る
相談窓口では、利用可能な制度やサービスの情報を得られるだけでなく、1人ひとりの状況に応じた具体的な解決策を一緒に考えてくれます。
「どうすればいいのかわからない」と不安を感じている方にとって、専門的な知識を持つスタッフからの助言は、重要な道標です。
障がいのある方への支援について3つの相談窓口と特徴とは?
障がいのある方本人や家族が「悩みをどこに相談すればいいのかわからない」と感じた場合、地域の相談窓口が最初の入り口となります。
初めての相談先としてよく利用される代表的な3つの窓口は、市区町村の障がい福祉担当課・基幹相談支援センター・相談支援事業所です。
市区町村の障害福祉担当課
最も身近な窓口は、お住まいの市区町村の「障害福祉担当課(またはそれに類する名称の窓口)」です。「何から始めればいいのかわからない」と感じたときには、まずここに相談し必要な支援や他の専門機関につなげてもらいましょう。
障がい福祉担当課は、障害福祉サービスの利用申請や、障害者手帳に関する手続きといった行政的な手続きも担っています。市役所や区役所の窓口で対応しているため、アクセスがよい点が魅力です。
基幹相談支援センター
基幹相談支援センターは、地域における相談支援の中核を担う専門機関です。複雑な背景や複数の課題を抱えるケースにも対応し、利用者が地域の中で安定した生活を送れるよう支援の方向性を考えていきます。また、他の相談支援事業所・医療機関・教育機関と連携し、必要な支援の調整を行うのも重要な役割です。
相談支援事業所
相談支援事業所は、福祉サービスの利用計画(サービス等利用計画)の作成といった、具体的で専門的な支援を行う窓口(主に「特定相談支援事業所」と呼ばれます)です。利用者1人ひとりに合わせた支援の計画を立て、定期的に見直しながら支援の質を保ちます。
たとえば、「どの福祉サービスを使えばいいの?」「今の生活に合った支援を受けたい」といった要望に応えてくれるのが相談支援事業所です。利用者に寄り添いながら支援を継続し、障がいのある方の生活全体を見守る視点を持っています。
次の章では、支援の目的や障がいの種類に合った相談窓口についてさらに広く説明します。

障がいの特性や生活状況に対応する相談窓口とは?
障がいのある方への支援には、悩みや状況に応じた専門的な窓口が多数あります。
前章で紹介した市町村や相談支援事業所に加え、目的や障がいの種類に応じた専門機関について理解を深めましょう。支援の対象・得意分野・利用方法がわかってくると、自分や家族に合った窓口を選びやすくなります。
ハローワーク(障害者専門窓口)
働いて自立を目指したいと考えている方には、ハローワークに設置された「障害者専門窓口」が心強い存在です。障がい者専用求人の紹介や、職業相談・面接への同行・職場実習の調整といった、就職活動に関する総合的な支援を担います。1人ひとりの希望や特性に応じたサポートが受けられ、就労継続支援事業所をはじめとする他の機関と連携が必要なときも安心です。
障害者就業・生活支援センター
「働きたいけれど不安がある」「生活と仕事の両方にサポートが必要」と感じる方をサポートするのが、障害者就業・生活支援センターです。センターでは、就職に向けた準備から、職場での定着支援・日常生活のリズムづくりまで幅広く対応します。ハローワークと連携しながら、就労と生活の両面から継続的な支援を行うのが特徴です。
精神保健福祉センター
精神的な不調や精神障がいに関する悩みは、精神保健福祉センターが専門の窓口です。精神保健福祉士や保健師が、本人や家族からの相談を受け、医療機関・他の支援機関との連携・リハビリ支援・家族への助言を行います。精神的な不調は、早期の相談が回復や安定につながりやすいため、早めの相談がおすすめです。
発達障害者支援センター
発達障がいのある方や家族・学校・職場の支援者を対象に、より専門的な支援を行うのが発達障害者支援センターです。1人ひとりの発達特性の理解を深めるための情報提供のほか、日常生活・学習・就労の課題に対応しています。本人だけでなく周囲の方も支援の対象となるため、環境調整や関係づくりのアドバイスが得られるのもポイントです。
地域包括支援センター(連携機関)
地域包括支援センターは主に高齢者向けの相談窓口ですが、家族支援や他機関との連携の場面で、障がい福祉とも関わりがあります。とくに高齢の障がい者や家族に対して、医療・福祉・介護のつなぎ役として機能し、複数の支援が必要なケースでも安心して相談できるのが特徴です。
〈主な専門窓口一覧(目的・対象別)〉
機関名 | 主な対象 | 主な相談内容 | 問い合わせ先 | 開庁時間 | 特徴 |
---|---|---|---|---|---|
ハローワーク(障害者専門窓口) | 障がいがあり就労を目指す方 | 求人紹介・面接同行・職場実習 | 参考ページ:ハローワーク障害者関連窓口一覧/厚生労働省 | 平日8:30-17:15、土日祝・年末年始を除く | 障がい者向けに職業相談を専門スタッフが対応 |
障害者就業・生活支援センター | 就職と生活支援が必要な方 | 就労準備・職場定着支援・生活リズムの支援 | 参考ページ:令和7年度障害者就業・生活支援センター 一覧/厚生労働省 | 平日8:30-17:15、土日祝・年末年始を除く 各センターにより異なる場合あり |
生活と仕事を両面で支援。ハローワークと連携あり |
精神保健福祉センター | 精神的な悩みのある本人・家族 | 精神的なケア・医療連携・家族支援 | 参考ページ:全国の精神保健福祉センター/厚生労働省 | 平日8:30-17:15、土日祝・年末年始を除く 各センターにより異なる場合あり |
専門職による対応。初期相談や地域支援機関の紹介も可 |
発達障害者支援センター | 発達障害のある方・家族・関係者 | 発達特性に応じた支援・環境調整の助言 | 参考ページ:発達障害者支援センター・一覧/国立障害者リハビリテーションセンター | 各センターにより異なる | 本人だけでなく家族や学校・職場関係者も対象 |
地域包括支援センター | 高齢者・多機関連携が必要な方 | 医療・介護・福祉の相談と連携 | 参考ページ:全国の地域包括支援センターの一覧/厚生労働省 |
一般的には月曜日~金曜日の8:30-17:15 センターによっては、土日や夜間・深夜も対応 |
高齢で障がいのある方が対象になる場合や、家族支援の窓口として連携 |
相談から支援までをつなぐ「相談支援専門員」とは?
障がいのある方や家族が、福祉サービスを適切に利用するためには「相談支援専門員」の存在が欠かせません。
相談支援専門員は、本人の気持ちや生活状況を丁寧に聞き取り、サービス等利用計画の作成や関係機関との調整を行うプロフェッショナルです。
利用者に寄り添う支援のパートナー
相談支援専門員は、障がいのある方の生活・就労・医療と多方面のニーズに対してサポートを行う専門職です。相談支援専門員の多くは、自治体から指定を受けた相談支援事業所に所属しています。
主な役割は、福祉サービスの利用を希望する方に対して、本人の希望の把握・課題の整理・利用計画の作成・関係機関との連絡調整です。サービスの利用開始後も継続して支援の見直しや再調整を行い、利用者に寄り添い続けます。
計画相談支援と地域相談支援の違い
相談支援専門員の支援には、主に計画相談支援と地域相談支援の2つがあります。どちらも相談支援専門員が行う重要なサポートですが、支援の場面や目的に違いがあります。
計画相談支援
計画相談支援とは、福祉サービスを新たに利用するとき、または利用しているサービスを継続・見直すときに必要な「サービス等利用計画」の作成です。サービス等利用計画は、本人の生活状況や希望をふまえて作成される、支援の方向性を示す重要な書類です。福祉サービスを利用する際の根拠となり、適切な支援を行うための基盤となります。
地域相談支援
地域相談支援は、障がいのある方が施設から地域での暮らしへと移るときにサポートする「地域移行支援」や、ひとり暮らしを安心して続けるために定期的に見守る「地域定着支援」を行う制度です。とくに、退院後のひとり暮らしや、家族の支援が薄いケースでは、地域相談支援が大きな力になります。
相談支援専門員とつながるには?
相談支援専門員と話をしたい場合は、市区町村の障害福祉課や相談支援事業所に問い合わせてみましょう。現在利用中の福祉サービスがある方は、サービス提供機関から相談支援専門員を紹介されるケースもあります。
相談支援専門員は制度と現場の“橋渡し役”であり、1人ひとりに合った支援の形を一緒に考え、寄り添ってくれる存在です。

相談から支援開始までの手続きと必要な費用とは?
障がいのある方が支援を受ける手順は、問い合わせ・面談・アセスメント・計画作成の工程です。相談は原則無料で、サービス利用料がかかる場合も利用者に負担が少なくなる仕組みとなっています。初めての利用でも1人ひとりに合った支援へとつなげられるよう、相談支援専門員が困りごとを整理しながら、丁寧に対応してくれるので安心です。
相談から支援開始まで
窓口での相談から支援開始までのステップは、障がいのある方や家族がひとりで抱え込まないよう、専門職が丁寧にサポートしてくれる仕組みが整っています。困りごとの内容に応じて、無理のないペースで進められるのが特徴です。
1. 問い合わせ・相談予約
市区町村の障害福祉課や相談支援事業所に電話・メール・窓口で相談の申し込みをします。まずは、専門家に話を聞いてもらう気持ちで連絡してみましょう。困りごとや希望を自分の中である程度まとめて臨むと、よりスムーズな問い合わせになります。
2. 初回面談(ヒアリング)
相談支援専門員と面談を行い、現在の生活状況や困りごと・利用したいサービスについて話し合います。面談は、利用者本人だけでなく家族の同席も可能です。
3. アセスメント(課題の整理)
相談支援専門員は面談をもとに、利用者の生活全体を見ながら支援が必要な内容を整理します。利用者や家族にとってどういった支援が必要なのかを、一緒に考える大切なプロセスです。
4. サービス等利用計画の作成
面談の内容をふまえ、必要に応じて相談支援専門員が「サービス等利用計画」を作成します。サービス等利用計画は、本人の希望や暮らしの状況をもとに、どんな支援を受けていくかを整理した“支援の設計図”です。
5. サービス利用開始
サービス等利用計画に基づき、必要な福祉サービスの利用がスタートします。相談支援専門員が定期的に利用者の状況を確認しながら、必要に応じて計画の見直しや調整を行います。
相談にかかる費用は?
障害福祉に関する相談は、原則無料です。市区町村の相談窓口や、指定を受けた相談支援事業所への相談に費用はかかりません。しかし、実際にサービスを利用する際には、利用内容に応じ費用負担が発生する場合があります。
福祉サービス料にかかる費用は、世帯収入に応じた負担上限(月額)が設定されているため、利用する方にとって過度な負担にならない仕組みです。
世帯の収入状況等 | 負担上限月額 |
---|---|
生活保護受給世帯 | 0円 |
市町村民税非課税世帯 | 0円 |
市町村民税課税世帯(所得割16万円(※)未満) | 9,300円 |
市町村民税課税世帯(上記以外) | 37,200円 |
(※)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者等は市町村民税所得割16万円未満の場合は9,300円、それ以外は37,200円。
障がいのある方を支える家族の悩みにも寄り添う支援制度
障がいのある方を支える家族やパートナーは、日々の関わりの中で多くの悩みと直面します。「どんなサポートをすればよいのかわからない」「介護の負担が大きい」「親である自分たちが亡くなったあと、障がいのある子どもが生活していけるか不安」といった声は少なくありません。ときには、本人が相談をためらっていて周囲の方がもどかしさを感じるケースもあるでしょう。
福祉事務所や障害福祉課・保健所・精神保健福祉センター・児童相談所(18歳未満のお子さんに関する相談の場合)では、障がいのある方自身だけではなく、家族も支援の対象となります。必要に応じて関係機関と連携しながら、包括的なサポートを受けられる制度がしっかり整っているのです。
また、障がいのある方の家族にとって、家族会やネットワークへの参加の機会が心の支えとなるケースもあります。家族の不安や疲れに寄り添ってくれるサポートを活用し、将来への備えと日々の安心につなげていきましょう。
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